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在日外国人インタビュー集

     
 

Person 20(後半)

 

日本人とは違う文化ももった、わたしの子どもたち。
人はみんな違っていることを分かって、
相手のサイドに立って考えられれば、だいじょうぶ。
自分の責任で判断できる、
明るく強い人に育ってくれるのが、いちばん。

 

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日本人とつきあうのに、
特別に何かをしたって言うことはない。
人と人のつきあいは、ひとり対ひとり。
ハート・トゥ・ハートで自然につきあっていけばいい。

わたしの国では国際結婚が多くて、
小さいころからハーフの友だちが多かったから、
わたしはそういう、国が違うとか気にしなかった。
フィリピン人と中国人、アメリカ人、インド人。
いろんな友だちの家に行って、
その親のいろんな文化を見ても気にしなかった。
いろいろ違った文化があるって自然に思っていた。

日本ではそうじゃないね。
日本人は外国人とつきあっていくのが、
ちょっと下手だと思うことはある。
ひとり対ひとり、ハートとハートでつきあうには、
「ガイジン、ガイジン」って言わないことがいいと思う。
ガイジン、ガイジンって言われると、
なんか外国人が悪いとこ持ってるみたいでしょ。
ガイジンなんて人間、いないんだから。
日本人だって外国へいったらガイジン。

子どもには、ちゃんとそうやって、
外国人の意味を教えてあげる方がいいと思う。

子どもが幼稚園のとき、公園で遊んいでたら、
小学三、四年生くらいの子どもが来て、
「おばちゃん、あんたニンゲン?」って
聞いたことがあるのよ。
「あんたニンゲン?」って。
「そうよ、ニンゲンよ」ってこたえたけど、
「あんたニンゲン?」ってこれは、どういうこと。
子どもは、まだ深い意味がわかっていないからいいけど、
それはちゃんと教えていない親の問題ね。

うちの子も、ハーフでみんなと違っているから、
子どもの間でいじめられているみたい。

性格が活発だし、
わたしも明るい家庭をつくろうとしているから、
大丈夫みたいだけど。
いじめられると勉強になるし、強くなるからね。

うちは主人とわたしが、
子どもの育て方でも、宗教のことでも、
お互いの文化や考え方の違いを話し合っているから。
ケンカにならないように、
お互いのサイドのことを考えながら話し合っているの。
違いがあるのが当然だから、
両方が相手のサイドに立って話し合う
の。
それを見て育っているから、
子どもも違いのある相手とは、
相手のサイドに立って考えることを知っている。
だから、いじめられてもそれを勉強にしてる。

日本ではイジメがひどいけど、
あれは自分のことだけ考えるから、よけいにいじめられる。
いじめている人の気もちを考えたら、
それはそっちの方がかわいそうでしょ。
人をいじめないといけないような気もちなの。
だからいじめられた時は、
いじめている人の気もちを考えて、
明るくいたら大丈夫、弱くならない。
そう思って、家庭を明るくして、子どものこと見守ってる。

わたしが子どもを育てるのに気をつけていることは、
明るく強い子になってくれるように、
過保護にしないこと
ね。
日本は子どもが小さいころから、
塾にいれて、習い事させて、たいへんね。
学校、塾、スイミング、エレクトーン、サッカー……。
子どもが自分でつかう時間がないのね。

子どものころに自分でつかう時間をもたずに、
お母さんから、することをいっぱい与えられると、
自分の時間に何をどうするか、
自分で考えられない大人になってしまわないか心配。
だからわたし、塾も習い事も、
子どもの判断にまかせている。
わたしは自分のことは、
自分の責任で考えるように言ってるの。

上の子も下の子も、中学生になったら時から
自分の行動はぜんぶ自分の責任で判断させている。
小学生までに、いいことと悪いことを
いろいろ説明して教えてあるから。
中学生になればもう自分で判断できるはず
よ。
わたしだって、子どもの時、悪いことできたよ。
お母さんの見ていないところで、しようと思えば。
でも親に迷惑かけちゃいけないと、
自分の責任で考えたもの。
わたしの子どもも自分で考えられるはず。
日本で育ってもフィリピンで育っても
それは一緒だと思う。

ただ日本で育てるなかで、
どうしようかなと考えていることが一つあるの。
わたしはクリスチャンで、子どものころ教会に通っていて。
教会のまわりには身体の不自由な
ホームレスの人がいっぱいいたの。
そんなとき、母はわたしに、何かあげなさいと言うの。
自分のポケットの中のチョコレートひとつでもいいから、
自分のものを自分で渡しなさいって。
怖いことはないんだよ、って。
わたしも自分の子どもにそんな風に教えてあげたいけど、
日本の社会のなかではちょっと難しいから。

前に区役所に行った時、おばあちゃんが
「喉が渇いて飲み物がほしいけど
お金がないから百円ちょうだい」って言うから、あげたの。
そしたら後で周りから、
そんなことしたらダメよ、と言われた。
その人にも家族やお嫁さんがいるんだからって。
お金や飲み物あげたら、
家族やお嫁さんが後で困るかも知れないでしょ、って。
その時、喉が渇いているのに何も飲めないの、
おばあちゃん、かわいそうなのに。
日本ではそういうことしちゃ、いけないと言われたの。

わたしがお母さんに教えられたように、
自分のポケットの中のものを人に分けてあげること
も、
日本の社会の中では、なかなかちょっとできにくいみたい。
だから、そういうことを、
わたしは自分の子どもにどう教えてあげようか、
いま、考えている
の。

 

フィリピン・40代前半・女性

 
 
     

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