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在日外国人インタビュー集

     
 

Person 11

 

たとえどんなに、人との間に距離を感じたとしても
ここは日本です。
日本人の距離感に合わせることです。

 

日本に来て最初にぶつかったのは言葉の壁です。
夫が英語を話しますから、
二人の関係だけでいえば問題はなかったです。
夫とはヨーロッパで出会い結婚し、
わたしが日本に来ました。
でも、家から出て、広く日本人と交流するには
日本語を話せないのは障害です。

相手が何を言っているか
いまは、だいたい分かるようになりました。
でも新聞なんかは、まだ読めません。

日常生活をおくるうえで困ることはありません。
でも、暮らしている日本の社会のことを知りたいですから、
言葉は自分にとって大きな問題です。

ふだんの生活で、
周りの日本人との間で必要な会話をするくらいなら、
言葉の問題はありません。
とくに深く語り合うこともありませんので。

すこしの軽い友だちはいますけど、
真に親しい日本人の友だちはいません。
周りの日本人には、いい人たちが多いけれど、
親友と呼べるほどの間柄には、なれないんです。

わたしの知っている外国人の多くも、似た状況にあります。
日本人の真の友だちができないでいるんです。
外国人と日本人の間には、距離があるんです。

距離というのは、ハートのあるなしです。
ロシア人、それに他のウエスタンにはハートがあるけど、
日本人はハートレスですから。

もちろん理由もないのに、
日本人をハートレスだなんて思いません。
そう思う体験があったからです。

わたしの友だちのロシア人の女性が、
ワーキングビザが切れたので
日本を発つことになったんです。
彼女、その時、15人ほどの日本人に手紙を出しました。
けど、誰からも返事が返ってこなかったんです。
ロシア人どうし、他のウエスタンとの間でなら
なんらかのリアクションがあります、絶対に。

わたし自身の日本人との関係を振り返ってもそうです。
日本人との交流は、いつもわたしから。
わたしから電話をしたり、手紙を書いたり。
それでも、日本人の方から返事が来ることはないですし、
ましてや、日本人からアクションが起こることはないです。

それでは、ほんとうの友人になりようがないでしょう。
顔を合わせる機会があれば、
その時に、感じよくお付き合いをする間柄までです。

あたりさわりのない会話をするだけで、
なにかについて深く、
たとえば内面的なことなどは話しません。

話し合える友人が、日本人の中にはいないんです。
日本人との交流では、意見の交換ができません。
日本人と何かを話し合っても、
解決策が見つかることがないんです。

さっき、
日本人からはアクションもリアクションもない
言いましたでしょう。
意見の交換についてもそうです。

英語で会話できて、言葉の問題のない相手とは、
意見や考えの話がしたいと思うんです。
でも、日本人から返ってくる答えは、
「難しい」「大変だ」ばかりで…。
わたしが一方的に、わたしの考えなどを話すだけで、
彼ら自身の意見、考え、アドバイスを
得られることがないんです。

他の国々の人たちとは、
仕事、家族、いろんな問題について話し合って、
一緒に解決策を探して、
助け合い、支え合っていけるのに。

一人だけ、話し合える日本人女性がいますけど、
彼女は英国人男性と結婚している人で、
100%の日本人ではないですからね。

こんな風に距離があるんですから、
ロシア人と日本人との間の
リレーションシップは難しい
です。
日本人にはハートを感じないですから。

それに…
わたしはアメリカ人やフランス人ではありませんし。
何人ですか?アメリカ人?フランス人?って
近づいてきた日本人に
ロシア人ですって答えると、
がっかりした様子で、もういいわという感じで
離れていってしまう人、いるんですよ、けっこう。
最初のころは、傷つきましたけれど
今はもう気にしなくなりました。
別にかまわないと思っています。

ロシアと日本の言葉には
似ているところを感じるんですけれど。
アー、イー、ウー、エー、オーという母音が似ていて、
ロシアの唄と日本の唄は似ているんですよ。
でも、人は似ていないですね。
ロシア人は感情の起伏が激しいです。
そこが日本人と違うところでしょうか。

さっきもすこし触れましたが、
日本人とのリレーションシップに
物足りなさを感じているのは、わたしだけではありません。

わたしの周りの外国人の多くが日本人に対して、
深みと広がりのある親密な人間関係を望んでいます。
そして望むからこそ、問題を感じています。

わたしは性格的に、
最初から人に対して多くを期待しない方ですから、
相手が自分を見せようとしないことで
深く傷つくことはありません。
それは相手が日本人だからではなく。
わたし自身が、人から望まれるままに
自分をさらけ出せない人間ですから。
心を開きたがらない相手には、
こちらの方から、それを要求することはしません。

自分自身が、
もっと深く広がりをもった心を与えられるかどうか、
迷わずイエスと言えませんから。
相手に要求はできません。

人との間に距離を置くのが日本の文化なら、
なおさらそうです。
こちらから距離を縮めろとは言えません。
日本人とは、もっと深く広がりをもってつきあうことは
できないと思っています。

ここは日本ですから。
わたしは夫の文化や習慣に従って生活します。

人とのリレーションシップにおいては、
いろいろと訊ねないこと。
日本人が自分から話さない、見せないことには、
こちらからは触れない、立ち入らないことです。
人にはダイレクトにモノを言わずに、
丁寧に接することが必要です。

たとえどんなに、人との間に距離を感じたとしても
ここは日本です。
日本人の距離感に合わせることです。

そういう環境に身をおいて、
独りを感じることで良い面もありました。

日本に来たことによって、
自分で自分が変わったと思います。
精神的にとても成長したと思いますし、
実際、努力もしました。

日本人は自然の中など、いたる処に美を見つけます。
禅の文化に見られるように、
雨の音を楽しみ、月を眺める…。
その心のあり方から、
わたしも精神的な影響を受けました。

日本は平和で静かで、
ものを考えるにはいいところ
だと思います。
ほとんどの外国人が、
この穏やかで、平和で、安全で、静かな場所で
自分の内面を見つめ、考えて、
自己の成長にエネルギーを使おうとしています。

自分で決めて日本で暮らすのですから、
その中で、自分がどういるのかだと思います。

 

ロシア・40代後半・女性

 
     

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