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在日外国人インタビュー集

     
 

Person 6

毎日通う大学の中では、
わたしはいつも日本人の外にあります。
大学の外の世界では、日本人から近くに来ます。

 

医学の勉強をするために来ました。
バングラデシュで半年、
日本に来てから日本語学校で半年、日本語を勉強しました。
でも、本で読むのと実際に会話するのは違うでしょ。
外国語大学にも通い、
いまでは、もう大体、どんな日本の人とも話ができます。

日本語は話せますけど、学内で話をする人はいませんね。
とくに同じ年代の人とは、
まったくと言っていいほど話しません。
年上の人だけ、40代以上の先生と、
ほんの少し、研究に必要な会話をするだけです。
それ以外、誰かと口をきくということはありません。

同年代の若い先生とは、
研究内容についてすら、会話することはないです。
若い先生たちは、
わたしたちのような外国人の近くには来ないですから。

これくらい日本語が話せたら、
コミュニケーションは大丈夫なはずだけど。
学内の人たちとは仲良くなれません。
わたしは外国人だから。
近寄らない、口をきかないという状態ですから、
とうぜんフレンドシップはありません。
フレンドシップ以前に、
まず、あの人たちは、わたしのことを何も知りません。

同じ研究室で顔を合わせて一年半経ちますが、
わたしが、これだけ日本語を話すことも知りません。
この間、研究室で近くの席にいる女性が、
連絡書類を配りにきて、
「一、二、三、四はわかりますか」って聞いたんです。
失礼なことを聞くね、って思いました。
それで、 “本日の送別会…”って、
そこに書いてある内容を読み上げたら、
本当にびっくりしていました。
バカみたい話でしょ。

彼女の中で、わたしは最初に会った時のままなんです。
日本語がたどたどしいガイジンで止まっているの。
現実のわたしは勉強もして、
日本語がどんどん上手になっているのに。
何か月も、ろくに口をきいていない証拠です。

朝から夕方まで、
誰とも話さずに一日を終えることもあります。
お昼は医局のみんなで食べるんです、
若い先生たちが集まって。
その時も、わたしはやっぱり離れています。
わたしはいつも、外にあります。

もちろん、学内の人間関係が、
表立って悪いということはありません。
ただ、見えない壁がある
ということです。
もしかしたら、
わたしが宗教的に、夫以外の男性とは親しく接したくない、
というようなことが、
こちらからのバリアに、なっているのかもしれませんが。

ただ、一つ言えることとして、
学内の25〜30歳くらいの若い先生たちは、
わたしに対して明らかに優越感を感じています。
肌で感じます。
「あなたは何も持っていない、かわいそう」
「日本に何かもらいに来ましたね」
あの人たちの態度が、そう語っています。
わたしは確かにバングラデシュから日本に来て、
医学を教えてもらっています。
でも、そういう人に対しては、こちらの方も、
あなたたちのような人間から教えてもらうことは、
何もない、という感じです。

大学で最初みんなに紹介された時も、
その後、朝、「おはようございます」と言った時も、
誰も何も応えてくれませんでした。
いまは「おはようございます」は言ってくれますけどね。
でもムードはすぐに変わります。
今日はあいさつするけど、明日はしないとか。

こんな状態ですから、
フレンドシップを感じられるのは、
ボランティアの、母親の年代の人たちだけ。
彼女たちとは、困ったとき、
いつも電話で話をすることができます。
国の母に話すかわりに、彼女たちに話します。
学校の問題でも、彼女たちに話します。

学校の外で会う日本の人たちは、フレンドリーです。
いろんな団体から
国際交流の会に呼ばれることもあります。
いままで10回以上、
バングラデシュのことをレクチャーしました。
バングラデシュの名産、手づくりのものなどの
バザーもしました。
興味をもった人は、熱心に聞いています。

街で出会う人たちも、だいたい好意的です。
外国人に対する偏見もあるとは聞いていましたが、
わたしの体験は、良いことの方が多いです。
わたしはいつも民族衣装のサリーを着ているんですが、
街にでると、日本の人は喜びますね。
「きれい」「いっしょに写真撮らせて」とか言われます。

学校の外で会う人たちは、わたしに興味をもちます。
バングラデシュはどんな切手?どんなお金?って、
いろんな事を聞いてきます。
前に、ホストファミリーと出かけたとき、
おじいちゃん、おばあちゃんの夫婦が近づいてきて、
興味を持って、バングラデシュのいろんなこと聞いて
いっしょに記念の写真まで撮りました。
そんな、日本人との楽しい思い出もあります。

バングラデシュについて、興味をもって
わたしと話そうとします。
わたしがどう考えているか、思うか、
日本人との考え方の違いについては、
聞かれたことも話したこともありませんけど

それでも、わたしに関心をもってくれます。
近くに来ようとします。
心を広く、やさしい気もちで、
興味を持って外国から来た人を見ています。
学内の日本人と、外の日本人の態度に矛盾を感じます。
わたし自身も、学内にいるときと、外にいるときと
別の人みたいです。表情も変わります。

               バングラデシュ・20代後半・女性

 
 
     

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